ハーティースマイル シルクロードプロジェクト

キルギスの現状

◇キルギスってご存知ですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/キルギス

◇リウマチ熱ってご存知ですか?
http://ja.wikipedia.org/wiki/リウマチ熱

リウマチ熱とは小児の常在菌の一種のA群溶連菌感染の合併症で、関節、心臓、腎臓、さらに中枢神経系を侵し死に至る疾患でした。平たく言えば、青っぱなが出て咽が真っ赤になる風邪をひいたら、抗生剤をしっかりと服用して、おしっこの検査をしなさいといわれていた疾患です。
戦後の動乱期までは世界的に猛威をふるい、現在60歳以上の日本人の心弁膜症の約30%はリウマチ熱の後遺症が関与していると考えられています。しかし、フレミングのペニシリンの発見以降、現在に至るまで(下図)に示すように日本をはじめとする先進国〜ベトナム、マレーシアなどでも、ほとんど診ることのない“過去”の疾患でした。

キルギス共和国で、ソビエト連邦崩壊後、リウマチ熱で苦しむ患者が2.8倍も増加していることは、研究者にとって驚くべき事実でした。さらに、2007年に行った2次訪問調査により、幼少期のリウマチ熱が心弁膜症の誘因となり、同国を含む中央アジア地域での死因の半数を占める心疾患の危険因子となっていること可能性が示されました。

現在、ソ連崩壊後10数年を経て、中央アジア諸国取り巻く環境は、第二次世界大戦後の高度経済成長期の日本と似た状況下にあります。当時の日本では、肺結核が死の病として恐れられ、医療に留まらず経済・社会的に大きな影を落としていました。現在、中央アジア諸国では労働年齢(20歳から64歳ぐらい)の心突然死が同様に非常に問題となっています。

今回、聖マリアンナ医科大学とキルギス共和国の共同研究の成果により、現代では容易に治療できる溶連菌感染という感染症が、その根底にあることが明らかになりました。従って、当該地域にとって、この計画は重大な社会的テーマであることは明らかです。その危機意識は中島先生(Dr.Toshi)がキルギス共和国の国家顧問として任命されたことにもあらわれています。

キルギスと日本のリウマチ熱発症率の年次推移(図)
※ ソ連崩壊後(1989年)からリウマチ熱の発症率が激増(2.8倍)している。